がんの発症数を数百万件規模で防ぐことができる!?
研究者たちは、この結果は明確な予防の機会を示していると指摘する。たばこ規制政策、感染症を防ぐためのワクチン接種や治療プログラム、有害なアルコール摂取を減らすための戦略などは、将来のがん症例を大幅に減らす可能性がある。
疫学者のハンナ・フィンクは本誌に対し、「もし世界的に最も大きな影響を与える介入策を1つ選ぶとすれば、あらゆる国において包括的なたばこ規制政策を実施、強化することだ」と、たばこのリスクについて指摘した。
「たばこは依然として世界中で最大の予防可能ながん原因だ。今回の調査結果では、全がん症例の約15%、男性においては5件に1件以上のがんの原因となっていた」
さらに、たばこ対策として「大幅な税率引き上げ、無地パッケージ、広告の全面禁止、公共の場の禁煙化、禁煙支援の提供」を挙げ、「いずれも最も費用対効果の高い健康政策であり、たばこによる健康被害のリスクをすぐに減らすことができる」とその効果について語った。
フィンクはさらに、今後10~20年で喫煙率の低下を加速させることで、がんの発症を数百万件規模で防ぐことができるだけでなく、心疾患や肺疾患の発症率も引き下げられると述べた。
「重要なのは、これらの政策が健康格差の是正にもつながるという点だ。喫煙はますます社会経済的に不利な立場にある人々の間で集中している傾向があるからだ」
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