HD137010bに生き物が住める可能性は?

HD137010bが極寒の世界と見られるにもかかわらず、研究者たちはHD137010bが温暖であったり、水に富んでいたりする可能性も残されていると述べる。

ただし、そのためにはHD137010bが地球よりも二酸化炭素に富んだ大気を持っている必要がある。二酸化炭素に富んでいれば、地球で温室効果ガスが気温上昇を引き起こしているのと同様に、熱を効率よく保持できるからだ。

研究チームが行ったHD137010bの想定大気に関する解析によると、この惑星が恒星の周囲に設定された「伝統的」なハビタブルゾーン内に位置する確率は40%。より条件を緩めた「楽観的」なハビタブルゾーン内に入る確率は51%だという。

HD137010bは、2018年に退役したNASAのケプラー宇宙望遠鏡によって収集されたデータの中から、系外惑星候補に挙げられた。「発見された」という表現ではなく、「候補に挙げられた」という表現にとどまる理由は、HD137010の光が一時的に暗くなった現象が存在を示す唯一の根拠だからだ。この現象は、恒星とケプラー宇宙望遠鏡との間をHD137010bが通過した証拠である可能性があるとされる。

HD137010bの正確な性質を明らかにするためには、今後さらなる観測が必要だ。

HD137010bが実在するなら、初の十分に近く、明るい地球に似た系外惑星となるので、本格的な追跡観測が可能な天体となる可能性もある。

【参考文献】

Venner, A., Vanderburg, A., Huang, C. X., Dholakia, S., Schwengeler, H. M., Howell, S. B., Wittenmyer, R. A., Kristiansen, M. H., Omohundro, M., & Terentev, I. A. (2026). A Cool Earth-sized Planet Candidate Transiting a Tenth Magnitude K-dwarf From K2. The Astrophysical Journal Letters, 997(2).

【関連記事】
【動画】初めてとらえられた新種の天体「クラウド・ナイン」
【写真】100年以上の時を経て、ついに観測されたダークマターの姿

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます