「七走一坐」――人生を"快適化"する禅の教え

仕事でも、趣味でも、勉強でも、元気を持続させつつ、パフォーマンスを上げる方法は一つしかありません。それは、

「疲れ果てる前に、休む」

という原則を守ることです。

その重要性を教えてくれる、いい禅語があります。それが、

「七走一坐」――。

文字通り、「七回走ったら、一回座りなさい」という教えです。

ちょっと階段の踊り場をイメージしてみてください。

ビルの階段は、だいたい20段ほど上がったところに踊り場が設けられています。ほんの数十秒でもそこで「ひと休み」することで、ずっと上の階までラクに上っていけるようデザインされているのです。

この仕組みは、仕事などにも応用できます。たとえば、

「30分集中したら、5分休む」

というふうに決めると、それまでの作業の疲れを引きずることなく、フレッシュな状態で次の作業に取りかかることができるのです。

疲れをリセットする「歩行禅」のすすめ

休憩時間中は何をしてもいいし、何もしなくてもいいのですが、禅が教えてくれる"効果的に疲れを取る"方法があります。

それは、じっとしているのではなく、「あえて体を軽く動かす」こと。

参考にすべきは、禅僧の修行僧が坐禅行の合間に行なう

「経行」

と呼ばれる歩行禅です。

曹洞宗では「一息半歩」といって、40分単位で坐禅をする間に5分ほど、「息を吐いて半歩、吸って半歩」の非常にゆっくりしたペースで、歩くことに集中する行を行ないます。

完全に休むのとは少し違って、坐禅をしているときの意識は保ったまま、同じ姿勢を続けて固まってしまった体や足の緊張を歩きながらほぐしてあげるイメージ。

これをすることで、いい具合に疲れや眠気が取れて、無理なく長時間の座禅行に励むことができるのです。

みなさんもぜひ、この「一息半歩」にトライしてみてください。心身がリフレッシュされることはもちろん、集中力を切らすことなく、スムーズに次の仕事や作業に取りかかれるはずです。

とくに、「休みなくがんばり続ける」ことがクセになっている人は、日常生活に「踊り場をつくる」感覚で、こうした禅的休息術を一つでも実践してみるといいでしょう。

休みなくひたすら走り続けるよりも、パフォーマンスが上がると同時に、「疲れを知らないタフな体質」が養われると思います。

「ていねいな動作」が心の余裕を生む