一方で、飲み物をカップに入れておく時間、いわゆる「浸漬時間」は、マイクロプラスチック放出の一貫した要因とはならなかった。リウは、「プラスチックカップに飲み物を長時間入れておくことよりも、液体が最初にプラスチックに触れたときの温度のほうが重要であることを示している」と述べている。

今回の研究は、国連環境計画(UNEP)が2021年に公表した報告書で、年間約5000億個の使い捨てカップが使用されていると指摘されている状況を背景に発表された。

同報告書は、「使い捨て飲料カップの使用は今後、指数関数的に増加する見通しだ」と警告した上で、「家庭外で飲料を消費するための持続可能な代替手段を見つけるため、緊急の対応が必要だ」としている。

UNEPは、「マイクロプラスチックは摂取や吸入を通じて人体に入り込む可能性がある」と説明しており、実際に「動脈の壁を含む、人体のさまざまな部位で検出されている」としている。

さらにUNEPは2019年の研究を引用し、「居住地や生活環境によって差はあるものの、一部の成人は年間平均で3万9000個から5万2000個のマイクロプラスチック粒子を摂取している可能性がある」と指摘している。

References

Liu, X., Li, D., Li, Z., Ball, A. S., & Chen, C. (2026). Release of microplastics from commonly used plastic containers: Combined meta-analysis and case study. Journal of Hazardous Materials: Plastics, 2. https://doi.org/10.1016/j.hazmp.2025.100028

Marfella, R., Prattichizzo, F., Sardu, C., Fulgenzi, G., Graciotti, L., Spadoni, T., D'Onofrio, N., Scisciola, L., Grotta, R. L., Frigé, C., Pellegrini, V., Municinò, M., Siniscalchi, M., Spinetti, F., Vigliotti, G., Vecchione, C., Carrizzo, A., Accarino, G., Squillante, A., ... Paolisso, G. (2024). Microplastics and Nanoplastics in Atheromas and Cardiovascular Events. New England Journal of Medicine, 390(10), 900-910. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2309822

United Nations Environment Programme. (2021). Single-use beverage cups and their alternatives: Recommendations from life cycle assessments. United Nations Environment Programme.

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