日本は相当の規模の永住型移民を受け入れている
合理性に欠ける荒唐無稽な主張は、移民や国際移住の仕組みに関する知識のなさが生み出すものなのだろう。無知と不安が折り重なり、その矛先が外国人や移民に向けられているということだ。
だとすれば心がけるべきは、まず、確実なエビデンスに基づいた知識を身につけることではないだろうか。
例えば、根拠なき誤解の最たるものが、日本の移民政策についての事実である。
移民は中心的な地位を占める「永住型移民」と「一時滞在型移民」に分けられる。OECDの定義によれば、前者は「滞在期間、ないしはその更新回数に上限がない資格による滞在をする意味」であり、日本では「永住者」「定住者」「日本人の配偶者」「技術・人文知識・国際業務」などが含まれる。
対する後者は「滞在期間、及びその更新回数に上限がある資格による滞在をする移民」で、「留学」「企業内転勤」「技能実習」などがあたる。
見逃すべきでないのは、日本の移民の多くを永住型移民が占めているという点である。
各国ごとの永住型移民の受け入れ規模を見ると、日本は先進国中ではおおよそ10~17位/29カ国に位置づけられ、その規模は年間8~15万人程度である。データがとれる最新の年(2023年)でみると約15万5000人と先進国中、第10位であり、さらにこの順位は近年、上昇する傾向が見られる。(47ページより)
ここから分かるように、移民を受け入れていないと思われがちな日本は実際のところ、相当の規模の永住型移民を受け入れているのである。