役作りとして一緒に3週間の軍事訓練を受けただけあって、スクリーンにはキャストの連帯感がにじみ出ている。これだけやる気のある若い才能が結集したからこそ、戦闘の再現に傾けた労力を少し人物造形に割いてほしかった。

ガーランドとメンドーサは奇襲を生き延びた兵士に話を聞き、彼らの記憶のみを基に戦闘を再構築した。そのかいあって観客は、勇敢な男たちが恐怖におののいている家にあっという間に引き込まれる。

一方で伝統的な人物紹介を省いたため、兵士たちはバックグラウンドや仲間との関係はおろか、名前さえはっきりしない。観客の感情移入を促す要素が欠落しているのだ。

戦争の意味は問わない

血みどろの傷のクローズアップに何度か目を覆ったものの、私は終始スクリーンから目が離せなかった。だが終映後にイラク戦争の意味や戦争体験に思いをはせる余裕はなく、とにかくつらい体験が終わったことにほっとした。

私は前作の『シビル・ウォー』に対し、はらわたに響くパンチはあるが物語の背景となるディストピアの政治的意味合いを掘り下げないため、煮え切らない印象を持った。

徹底して事実の再現にこだわった『ウォーフェア』は、フィクションと呼ぶのがためらわれる。臨場感は心臓に悪いほど強烈だが、戦争の意味を問う姿勢はどこにも見られない。登場する兵士には、イラク侵攻の正当性を考える余裕など一瞬もない。

『シビル・ウォー』のほうがはるかに面白い