
アプリには、ユーザーの写真投稿によって作られる「図鑑」機能もある。生物多様性モニタリングに市民参加を促す先行アプリには、08年に米カリフォルニア大学バークレー校が開発した「iナチュラリスト(iNaturalist)」などがあるが、国際データベースへの情報提供を目的とした同サービスに比べると、バイオームは、より初心者向けに設計されている。
生物に詳しいユーザーに質問できるSNS機能に加え、身近な生物探しを楽しむ「クエスト」など、ゲーム感覚で楽しめる仕掛けも施した。アプリのダウンロード数は120万を突破。生物好きな小学生から、散歩が日課の高齢者まで幅広いユーザーから支持を集めている。
企業との取引が急増中
22年のCOP15で採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組を踏まえ、日本が30年までのネイチャーポジティブ(生物多様性の回復)目標を宣言すると、同社のビジネス領域は一挙に拡大した。
それまでは取引先の7割近くは自治体で、イベントの委託などが主だったが、現在は自治体が約80件、企業・団体が679件と、取引数も売り上げも逆転した。
1000万件を超える国内最大級の生データの蓄積は大きな強みだ。データ解析により、気候変動や開発の影響による生物の生息分布の変化、外来種の侵入など、スコア化の難しかった生物多様性を可視化できる。
次のページ