トヨタ車体との共同プロジェクトも

トヨタ車体株式会社とのプロジェクトでは、バンパーを作る際に出た廃材を樹脂ペレットにし、これを材料にモビリティーカーのパーツを製作した。複合材料のため、造形難易度が高く、試行錯誤を繰り返し完成までたどり着いた。同社の担当者からも「サステナブルな取組は一筋ではいかないこと、様々な困難があると事を改めて感じた」との感想があった。

こうした「実感」を多くの日本企業が持っていることをふまえ、前田技研は課題の解決をさらに後押ししていくことを目指している。担当者の安藤健太朗氏は「サステナブルな活動を通じて、さまざまな企業様とSDGs実現に向け伴走していきたいと実感しました」と語る。

こうした取り組みの先にあるのは、資源が循環する社会の構築だ。前田技研は、地域の企業や自治体から出る廃材をプラスチックと混合させた材料を使用して、地域特有の新たな製品として生まれ変わらせる、地産地消型の製造モデルを構想している。そのためには社内での材料開発、空間デザイン、現地施工に対応する人材確保と、スキルアップが不可欠だ。

循環経済(サーキュラーエコノミー)のイメージ図
「造形トライ品や不用品」を利用した、循環経済(サーキュラーエコノミー)のイメージ図

同社は2027年までに増産体制を整備し、2028年には直販店の設立と空間プロデュース事業への本格参入を予定。2029年には関東エリアへの営業拠点展開、2030年には関西エリアまでを視野に入れており、循環型社会に向けた歩みを着実に進めている。

前田技研の取り組みは、同社の飽くなきチャレンジングスピリットと相まって、世界を着実に「持続可能な社会」へと押し上げていくだろう。

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