
人気漫画が原作の『子連れ狼』シリーズで、勝はプロデューサーを務めた。主演は実兄の若山富三郎。子連れ狼こと拝一刀(おがみいっとう)はもともと幕府お抱えの介錯人だった。だが柳生一族の奸計により栄職を失い、妻と身内を皆殺しにされる。
1人生き残った幼い息子の大五郎を乳母車に乗せ、復讐の旅に出た拝は行く先々で剣の腕を試される。
乳母車を装甲車に仕立てて銃弾をよけたり、敵の頭を刀で真っ二つにしたりと、そのアクションは『座頭市』と同じく荒唐無稽。一方で強い怨恨を抱え、自分を地獄に落ちるのが定めの罪人と位置付ける拝は、座頭市よりもダークなキャラクターだ。
60年代に時代劇と任侠映画でスターになった若山は、こわもての拝を風格たっぷりに演じた。『子連れ狼』は若山の主演で6本が製作され、海外の映画ファンに世代を超えて愛されてきた。
テレビドラマにもなり73〜76年には萬屋錦之介が、2002〜04年には北大路欣也が拝一刀を演じている。
ビデオとDVDが海外でも発売され、主人公が子供を連れて命懸けの旅をする物語はリュック・ベッソン監督の『レオン』(1994年)や『スター・ウォーズ』のスピンオフドラマ『マンダロリアン』(2019〜23年 原題:The Mandalorian)の原形となった。
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