<トランプ政権が「現代のマンハッタン計画」と称して発足させた政府効率化省(DOGE)は、イーロン・マスクの指揮のもと、大胆な政府機能縮小に乗り出した。しかし、急速で拙速な改革は混乱と反発を招き、同省はわずか数カ月で人知れず解体された。残されたのは、欠落した政府機能と深刻な人命被害だった>


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DOGE若手たちが残した「ずさんな記録」の実態

トランプ米大統領が鳴り物入りで発足させ、起業家のイーロン・マスクが初めて政治の現場に乗り込んで指揮を執った「政府効率化省(通称DOGE)」は、当初の威勢のよさはどこへやら、人知れず寂しい終幕を迎えた。

DOGEでは、20代の若いテクノロジーマニアたちが権限を与えられ、容赦なく、そしてあまりにも大ざっぱに政府機能と政府職員に大ナタを振るったが、彼らの無能ぶりには目も当てられなかった。連邦人事管理局のスコット・クポー局長は最近、DOGEはもはや「存在していない」と述べ、同機関が既に解体されていることを認めた(マスクは5月に既に退任済み)。

しかし、トランプ政権は今も、保守系シンクタンク、ヘリテージ財団が2023年に発表した政策提言「プロジェクト2025」に沿って、2つの主要テーマを追求している。その2つのテーマとは、連邦政府の規模を大胆に縮小することと、行政府の権力を全て大統領府に集約することだ。

DOGEは今年1月20日、第2次トランプ政権が誕生した当日に発足した。トランプは毎度おなじみの大風呂敷を広げ、この取り組みを「現代のマンハッタン計画」と呼んだ。マンハッタン計画は、第2次大戦時に広島と長崎に投下された原子爆弾を開発・製造したプロジェクトのことだ。

マスクは当初、連邦政府の予算を少なくとも2兆ドル(予算の約30%)削減するという目標を掲げた。また、政権発足時には、連邦政府機関の全廃や連邦政府職員の4分の3の削減を目指すとぶち上げた。

DOGE若手たちが残した「ずさんな記録」の実態