失われた古代都市に住んでいたのは?

セミヤルカで出土した金属製遺物や土器の破片を分析した結果、この集落が主に、カザフスタンの草原地帯で最初に恒久的な住居を築いた集団の一つ、アレクセーエフカ・サルガリー文化の人々によって占められていたと考えている。

加えて、チェルカスクル文化という、より遊牧的な性格を持つ同時代の集団に関連する遺物も発見されている。これは、セミヤルカの住民がチェルカスクル人や他の地域の人々と交易を行っていた可能性を示すものだ。

セミヤルカは、銅やスズの鉱脈を有するアルタイ山脈の近くに位置しており、これらは青銅の生産に用いられた可能性がある。

これらを総合すると、セミヤルカには小規模な金属工房が単に存在していたのではなく、複雑な生産体制が築かれており、同都市は青銅生産の主要拠点だったことがわかる。

研究者たちは今後、セミヤルカの住民がどのようにして物資の生産や周辺住民との交易に関わっていたのか、地域環境にどのような痕跡を残したのかを明らかにしようとしている。

また、この集落の近くでは、同時代の一時的な居住地や埋葬地も複数確認されている。これらがこの地域の古代文化にさらなる発見をもたらすことが期待されている。

カザフスタンのトライギロフ大学の考古学者、ヴィクトル・メルツ「長年にわたり、カザフ国家の研究資金の支援を受けてセミヤルカの調査を行ってきた。今回の共同研究によって、我々のこの遺跡に対する理解が本当に深まった」と述べた。

「UCLとダラム大学と協力することで、新たな調査手法と考え方を知ることができた。考古冶金学や景観考古学の専門知識を活かし、次の発掘調査でどのような成果が得られるか、非常に楽しみにしている」

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