キャラクターの外見──髪の質感、肌の色、体型など──が、周縁化されたコミュニティに属する人々の自尊心や帰属意識、文化的アイデンティティに影響を与えることは、多くの調査で一貫して示されている。
たとえば、2018年に米アンドリュース大学で提出された大学院論文では、メディアが伝える髪の質感に関するメッセージが個人に与える影響を指摘している。
髪質のような特徴が十分に表現されないことは、有色人種の女性における内面化された人種的抑圧やエスニック・アイデンティティの問題と結びついているのだ。
こうした背景もあり、モアナは多くのパシフィカ系の少女たちにとって特別な存在となってきた。だからこそ、たとえ些細に見えるスタイルの変更であっても、大きな意味を持つことがある。
18歳でモアナ役を務めたオーストラリア出身のラガアイアは、サモア・サバイイ島のファアアラにルーツを持ち、自身のキャスティングが発表された際、その意義について言及していた。
「サモア、そしてすべての太平洋諸島の人々を称える機会を得られたことを光栄に思います。私のような見た目の少女たちを代表できることにも誇りを感じています」
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