専門家「成長率半分押し下げ」
こうした現状を専門家はどう見ているのか。
野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は「中国外務省の渡航自粛呼びかけにより、中国の訪日観光客は大きく減少し、日本に相応の経済損失が生じることが見込まれる」と指摘する。
12年のケースでは訪日客数が(国有化直後の9月からの)1年間で前年比25.1%減少したとし、「今年9月まで1年間の中国の訪日客数は922万人に上る。向こう1年で前年比25.1%減少すると仮定すると、インバウンド消費の1年間の減少額は2兆2124億円となり、1年間の実質GDPを0.36%押し下げる計算となる」と分析する。
「内閣府の試算では日本経済の潜在成長率は今年4―6月期で前年同期比プラス0.6%だ。訪日客数の減少は日本の1年分の成長率の半分を超える押し下げ効果を持つことになる。この先の日本経済や物価高に苦しむ国民生活を考えるうえで、大きな懸念材料が加わった形だ」と話した。
(鬼原民幸、竹本能文 編集:橋本浩)
[ロイター]

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