newsweekjp_20240911075913.jpg
一見平和に見えるロヒンギャ難民のキャンプだが、治安は悪化し続けている(今年6月) CHIHIRO MASUHO

ラカイン人とロヒンギャの現在の軋轢に、日本も決して無関係ではない。太平洋戦争中の1942年、ミャンマー(当時の英領ビルマ)に侵攻し、ラカイン州にもその勢力を伸ばした日本軍は、そこで英軍と対立した。このとき、英軍は同州のイスラム教徒を、日本軍は仏教徒を諜報活動などに利用。この期間に発生したイスラム・仏教徒間の暴力的な衝突の歴史は今も双方のコミュニティーに語り継がれており、相手を攻撃する際の論拠にする人もいる。

歴史的にも関わりのある日本がロヒンギャ難民の状況を改善するために担うべき役割を、日下部准教授はこう話す。

「日本政府は継続的にロヒンギャ支援への資金協力を続けているが、今後は難民の就労や高等教育の機会を増やすようなプロジェクトを主導することも期待される。バングラデシュが孤立すれば、経済的な負担増や治安悪化につながり、地元コミュニティーにおけるロヒンギャへの反感がさらに強まる可能性もある。難民を受け入れるバングラデシュを徹底的にサポートする姿勢を見せることが、日本を含む国際社会に求められている」

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます