──櫻井さんは今もご自身の家族の戦争の記憶をたどることを続けているそうだが、その動機は?

1つは単純に、自分のいわばファミリーヒストリーを知りたいから。祖父母や曽祖父という自分にとっての直系の話だけではなくて、親戚を含めて、あの時代に自分の親戚がどう生きたのかを知りたい。あとは、自分の家族のことを伝えることが、一番気持ちと温度を乗せて伝えられるからかもしれない。自分自身がつらいと感じながら、自分のこととして伝えられる。

これは僕の仮説だけれど、僕らの親世代には、(祖父母世代に)聞けないよな、触れられないよなっていうのがあったのではないか。親世代が触れづらかったとするならば、僕ら孫世代の担う責任というのがあるのかもしれない。僕たちよりももっと下の世代になっていくと、それこそ白黒フィルムの過去の歴史の話になってしまうだろうから、どう伝えていくのかを考える意味でも、今回の戦争特番は意義深いと思っている。

──今年の春から櫻井さんは事務所との関係をエージェント契約に変えた。今後の櫻井さんの仕事の中で、戦争の記憶を伝えることを含めて、報道はどういう位置付けになっていく?

報道、あるいは伝えるということに関しては今までと変わらず、でも今まで以上に取り組んでいきたいとは思っている。強いて言うなら、なるべく現場で人に会って取材して伝えることをしていきたい。

能登半島の震災についてもそうだけれど、実際に現場に行き、お会いしないと分からないことがたくさんある。今まで以上に、取材して伝えるということができれば理想だなと思っている。

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