婚姻減は自動的に出生減となります。何度もいうように、1人当たりの母親が産む子どもの数は1980年代と比べても大差ありませんし、むしろ第3子の出生割合は直近のほうが多いくらいです。日本で起きているのは「少子化ではなく少母化」であり、それは婚姻の減少に起因するものです。

実際、2000年と2022年の「児童のいる世帯」の年収別世帯数を比較すれば、世帯年収900万円以上の世帯はまったく減少していませんが、いわゆる所得中間層である世帯年収300万~600万円あたりの世帯だけが激減しています。

日本の婚姻減、出生減は、この中間層が結婚も出産もできなくなっている問題であり、価値観の問題ではなく経済環境の問題なのです。中間層の不本意な若者たちを増やさないようにするためにも、これ以上の負担増は悪手でしかないでしょう。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
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