厳しい飛行条件下で、州兵は必要に応じてさまざまなヘリコプターを使用する。

「チヌークはおもに重い装備の運搬に使われる。攻撃ヘリのアパッチはもちろん戦闘ミッション用だ。アラスカの場合、非常に特殊なのは、こうしたミッションを同時にこなす事態を想定しなければならないこと。辺鄙な場所に住む多数の民間人を避難させるだけでなく、装備を搬入しなければならないといった場合だ。そのためにチヌークとブラックホークを一緒に飛ばす訓練を行なっている」

 

本誌が同行した訓練飛行には、2機のチヌークと1機のブラックホークが参加。SUVSを吊り下げた状態で樹上すれすれを飛んだり、異種のヘリと編隊を組んで飛ぶなど、難度の高い訓練をこなした。アラスカ陸軍州兵飛行部隊の活動には、こうした神業級の技術の維持が不可欠なのだ。

アメリカ本土から1600キロ以上も離れたアラスカは、あまりに孤立している。そのため、このアメリカ最大の州に住み、働く人たちはまるで島にいるようだと話す。

ここには自助しかない

「島にいれば、自分たちの力で生きていくしかない」と、エドワーズ大佐は言う。「あらゆる事態に自力で対処しなければならない。州兵が極めて高度な操縦技術を身につけるのもそのためだ」

「どの州でも同様だろうが、特にアラスカで暮らす人は、州のために貢献したいという思いが強い。地域の人たちを助けたい、親を、友人を、同郷の人々を助けたいのだ」

アラスカ州兵と共に過ごした36時間、ジャミルは何度もこの地の「荒々しい美しさ」に息をのんだという。

「アラスカが見せる危険な表情はまた、人々を魅了してやまないアラスカの美しさでもある」と、彼は言う。「この地に生きるなら自主独立の覚悟がいる」

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