newsweekjp_20240411021443.jpg
ノーラン監督はカイ・バードとマーティン・J・シャーウィンの共著『オッペンハイマー』(邦訳・ハヤカワ文庫)を基に脚本を執筆した ROBERT ALEXANDER/GETTY IMAGES

オッペンハイマーは核兵器についてそうした対話を模索していた。核兵器は戦場の武器ではなく、純粋な恐怖の武器であると軍上層部に警告しようとした。しかし、政治家は彼を黙らせることを選んだ。その結果、アメリカは冷戦時代を費用のかさむ危険な軍拡競争に費やした。

私たちは今、ウクライナ戦争で戦術核兵器を配備するというロシアのウラジーミル・プーチン大統領の見え透いた脅しに、核兵器と共に生きるという現実に決して甘んじてはいけないと思い知らされている。

オッペンハイマーは自分がロスアラモスで行ったことを後悔していなかった。好奇心旺盛な人類が周囲の物理的世界を発見しようとするのを止めることはできないと、彼は理解していた。私たちは科学の探求を止めることはできないし、原爆の発明を取り消すこともできない。

だがオッペンハイマーは常に、人類はこれらのテクノロジーをコントロールし、持続可能で人道的な文明に組み込むことを学べると信じていた。彼が正しいと願うばかりだ。

©2024 The New York Times Company

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます