「自分らしく」の中身を掘り下げるには?

──自分らしく働きたいものの、「自分らしく」の中身を言語化できていない方もいると思います。そうした方へのアドバイスはありますか。

「自分らしく」の中身を掘り下げて言語化するためには、自分のことを知るというアクションが大切だと思うんですよね。これまでどんな経験を積んできて、どんな強みやスキルを得てきたのかを振り返ってみることが大切です。

自己分析には、主観をもとにする方法と、客観的に知る方法の2つがあります。前者の1つに「ライフラインチャート」があります。グラフの横軸に年齢、縦軸に充実度をとり、これまで歩んできた道のりを振り返ることで、ご自身がどういう状態だと心地いいのかが見えてきます。さらには、作成するタイミングによって異なる気づきが得られます。

年代を問わず「やりたいことがわからない」という悩みは多いのですが、感覚的に「こういう条件が維持できていると嬉しい」というのを考えてみるのがおすすめです。たとえば、「未知のことをやるとワクワクする」という方なら、現状を振り返って「最近新しい挑戦をしていなかったから、新しい業務に手を挙げてみよう」といった気づきを得られるでしょう。

もう1つ、アセスメントなどを使った客観的な自己分析です。自分の才能(資質)を知る「クリフトンストレングス(旧ストレングスファインダー)」のように、さまざまな自己分析・自己診断ツールがWEBサイト上で提供されています。

第三者に意見を聞くのもよいし、キャリアカウンセリングやコーチングなど、キャリア支援のプロに頼るのも手です。オンラインでコーチングなどを受けられるサービスも増えてきました。

こんなふうに、自分の培ってきたものや感情を見つめ直して、自己理解を深めていただけたらと思います。

ホームからアウェイへと「越境」すると、強みが見える

──「自分らしく働く」を実現する上で、越境体験が大切になると本書にありました。その背景は何でしょうか。

なぜ越境体験がよいかというと、普段なら気づけない自分の強みに気づきやすくなるからです。法政大学大学院教授の石山恒貴先生は、「『自分がホームと考える場所』と『自分がアウェイと感じる場所』とのあいだを行き来し、ホームとは異なる知・考え方を獲得していく学びのあり方を「越境的学習」と表現しています。

「体験を通じて、アウェイに身を置くことの大切さを実感」
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