なぜ、「多様な強み」を持つ人材がいる組織が一番強いのか?

大賀 キャリアの選択肢が増え、複雑性が増しています。そんななか、個々の可能性を引き出すきっかけが生まれやすい組織的な雰囲気が、魅力的な人を集めるうえでの競争力になると思います。経営者がそうした組織をつくるために、何を心がけるとよいのでしょうか?

徳谷 「個人のビジョン」と「会社のビジョン」との重なりをつくることが必要だと考えています。いまは個人も会社も選び、選ばれる時代。企業がいかに自社のミッション、ビジョン、バリューを発信して、個人のビジョンとの重なりをつくれるかが問われます。

これからの時代は、事業の中身を継続的に変化・進化させることを迫られる。それに対応できるよう、組織にも柔軟性が求められます。現時点の事業に最適化して硬直化した組織形態だと、外的環境とともに事業のモデルや仕組みが変わったとたんに対応できなくなるケースが極めて多い。

組織の柔軟性を実現するために大事なのは、「多様な強みを持つ人材がいること」です。思想も強みもバラバラだと難しいですが、人材を束ねるビジョンと多様な強みがあって、かけ算で価値発揮する経営ができれば、組織として強いと思いますね。

なぜ、個人も、経営者も「セルフアップデート」が求められるのか?

大賀 世の中が変化し、そのスピードが速くなることは確定しています。大事なのは、いかに学び続けて、変わり続けるか。オズボーン教授の論文「スキルの未来」でも「2030年に必要とされるスキル」の1位が、未来を見据えて学び続ける「戦略的学習力」だったことは、その表れだと捉えています。

徳谷 まさにそうです。これからは重要になるのは「セルフアップデート」。単に新しいことをインプットして終わりでなく、インプットをもとにPDCAプロセスを回してアウトプットしていけるか。安定した枠組みで同じことだけしていると、いくら新しいインプットをしてもアウトプットには何も活かせていない。だから、既存の延長線にない “非連続な挑戦” を表す「クリエイティブジャンプ」や、修羅場をくぐる経験、つまり新しいアウトプットをせざるを得ない経験を積んではじめて、自身をアップデートすることができます。

伸び続ける会社の経営者は「セルフアップデート」をし続けています。いくら順調に成長していても、同じやり方を続けて自己変容から逃げていると、その影響が時差で出てくるんです。

社会を「面」で変えていくための一歩とは?
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