国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員が昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲攻撃に関与したとされる疑惑で、教師を含む約190人の職員がハマスもしくはガザの過激派「イスラム聖戦」のメンバーだった可能性がある。イスラエル情報当局の文書で明らかになった。

ロイターは6ページからなる文書を確認した。文書には10月7日のハマスの奇襲に関与したとされる11人の名前と写真が掲載されており、うち1人はUNRWAが運営する学校のカウンセラーを務め、奇襲で女性を誘拐した自分の息子を手助けしていた疑いがある。別の1人はソーシャルワーカーで、奇襲で使用された車両や武器などの移動を調整していたとみられるほか、3人目は住民の10分の1が殺害された村の襲撃に参加、4人目は360人超が殺害された音楽祭が行われていたレイムでの攻撃に参加した疑いがあるという。

 

文書は「戦闘中に押収された情報や文書、身分証明書などから、UNRWAの職員約190人がハマスやイスラム聖戦のメンバーである可能性がある」と指摘。ハマスが学校を含む「国連の幅広い施設や資産にテロリストのインフラを組織的かつ意図的に配備している」と非難した。ハマスはイスラエルの主張を否定している。

同疑惑を受け、米国やドイツを含む10カ国以上がUNRWAへの資金拠出を一時停止。UNRWAは、資金提供が再開されなければ2月末以降、ガザおよびその地域全体で活動を継続することはできないとし、資金拠出停止の決定を見直すよう呼びかけた。

イスラエルのカッツ外相は「UNRWAの職員は10月7日の大虐殺に参加した」とし、UNRWAのラザリーニ事務局長の辞任を要求した。

パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は、イスラエルによるUNRWAに対する「計画的な政治攻撃」と非難し、資金拠出を再開するよう訴えた。

イスラエル当局者はロイターに対し、文書で言及された190人は「かたくなな戦闘員、殺人者」とみられる一方、UNRWA職員の約10%がハマスやイスラム聖戦とより一般的な関係があると考えられるという見方を示した。

UNRWAはガザで約1万3000人を雇用している。



[ロイター]
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