輪島高校の避難所では、約250人の避難者の中で、小さな子供は5人前後。避難所の中で子供は圧倒的少数であり、子育て世代のニーズは積極的に聞いていかなければ見えづらい。
だが子供支援は、子供の親を助けることにもつながる。保育所も学校も閉鎖し再開のめどが立たないなか、24時間子供を抱えた毎日では、生活を立て直すための時間もつくれない。子供の居場所をつくり、子供を見ていてくれる「人」がいることは、親にとって大きな助け舟になる。
配送業の職場が被災して業務がストップしていたという父親は、明日から仕事が再開するという。輪島市外への避難は検討したかと聞くと、「2次避難したら仕事も収入もなくなるんで。結局、働いてる世代は(避難は)難しい。年金暮らしとか、高齢の方なら避難されてもいいかと思いますけど、半壊した自宅については不動産屋に連絡がつかないままですし......」と語る。仮設住宅の申し込みもしており、今のところ遠くに引っ越すことは考えていない。
ホテルに入れば水も電気もトイレも風呂もあるが、輪島の情報は入りにくく、避難者同士のつながりも心もとない。
「ほんと言うと、今頃はふるさと納税の返礼品で忙しい時期なんですよ」と、二井はえんじ色の福寿椀と呼ばれる汁椀を携帯の画面で見せてくれた。震災の泥にまみれてしまった輪島塗が、以前と同じ美しさを取り戻せる日は来るのだろうか。
【関連記事】日本が誇る文化財、輪島塗が存亡の危機...業界への打撃や今ある課題は?
米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由