<生産効率だけでなく環境負荷低減も工場に求められる時代。ニチレイのキューレイ第三工場では、例えば炒飯の調理・加熱工程でCO2排出の90%抑制を実現している>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

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   世界中で製造業にCO2削減努力が求められるなか、日本の冷凍食品大手、株式会社ニチレイフーズが2023年4月、福岡県に冷凍米飯専用工場を建設した。最先端のシステムを導入して環境負荷低減を図るだけでなく、「従業員が誇れる工場に」という。

環境負荷低減のため、炒飯を炒める際の「焦げ」の排除量も減らす

18世紀イギリスで産業革命が起こって以来、工場は時代と共に進化を続け、生産効率が高められてきた。機械化、電化、流れ作業で分担を行うライン生産方式の導入、オートメーション(機械の自動制御)の発達......。

だが、近年では生産効率の向上だけでなく、環境負荷の低減も必要だ。製造業から排出されるCO2は多く、社会全体のカーボンニュートラル達成には製造業における対策が欠かせない。世界中で今、環境に優しい工場の整備が進んでいる。

その一例が、日本の冷凍食品大手、株式会社ニチレイフーズが2023年4月に福岡県で稼働を開始した最新鋭の環境配慮型工場だ。ニチレイフーズのグループ会社であるキューレイの第三工場である。

冷凍米飯専用の工場で、同社の家庭向け主力商品である「本格炒め炒飯」や業務用の炒飯を製造する。約115億円を投じて建設され、延床面積は約1万200平方メートル。脱炭素・脱フロンの観点から自然冷媒冷凍機を導入し、屋上には太陽光パネルを多数設置している。

キューレイ第三工場の包装室
キューレイ第三工場の包装室

「生産工程や設備のCO2排出量を徹底的に分析し、各工程におけるエネルギー効率の向上を図りました」と、サステナビリティ推進部の佐藤友信氏は新工場の特徴を説明する。調理・加熱工程では、直火加熱とIH加熱をハイブリッドした独自製法を採用し、旧工程に比べてCO2排出量を約90%も抑制できたという。

興味深いのは、炒飯を炒める際の「焦げ」の排除量を減らすことも環境配慮に役立つということだ。佐藤氏によれば、「炒め工程では焦げが発生してしまいますが、AIとロボティクスを連動させ、焦げの排除を自動化することにより、(焦げ部分の除去に伴う)廃棄の50%削減を目指しています」。つまりは、食品廃棄の削減につながる。

キューレイ第三工場にはAIロボットと高性能カメラが導入されている
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