<部下の仕事は、上司の指示に従うことではなかった...。「要望の具体化」について>

いま、ビジネスで有効だと言われているのが「具体と抽象」という概念だ。企業コンサルタントの谷川祐基氏は「具体化と抽象化だけで、仕事の10割はうまくいく」と言う。それはなぜか?

社内コミュニケーション、会議、トラブル、仕事への情熱など、仕事上の課題をすべて「具体と抽象」で解決する、新刊『仕事ができる 具体と抽象が、ビジネス10割解決する。』(CCCメディアハウス)より一部抜粋する。

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「部下の仕事は、上司の指示に従うこと」ではない

上司と部下がいた場合、部下の仕事とは何だろうか? 一般に広まっている考えは「部下の仕事は、上司の指示に従うことである」というものである。しかしこの考えは、はっきりと間違いである。

もっとも、私が「部下の仕事は、上司の指示に従うことではありません」と言うと、必ず反論が来る。

「確かにね、上意下達の関係が、理想の部下と上司の関係ではないですよ。でも、上司と部下が友達のような関係だったり、部下が反抗していたりしたら仕事はまわらない。多少不満があったとしても、部下が上司の指示通り行動しないと組織は崩壊してしまいますよ」

その通りである。部下が行動しなかったり、上司の指示と違うことをしだしたら組織は崩壊する。それでも私は「部下の仕事は、上司の指示に従うことではない」と断言する。

「部下の仕事は、上司の指示を具体化すること」

では、本当の部下の仕事とは何かというと、ここで先程(編集部注:1回目記事)の90度回転させた組織図(図2)を思い出してもらいたい。基本的に、上司は抽象側を担当し、部下は具体側を担当する。

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図2『 仕事ができる 具体と抽象が、ビジネス10割解決する。』 24頁

部下の本当の仕事は、「上司の指示を具体化すること」である。これは、わずかな言葉の差のように見えるが、何が違うのだろうか? 

実は、このわずかな言葉の差が、決定的な結果の差を生み出すのである。まず、「部下が上司の指示に従う世界」でどんなことが起こっているか見てみよう。

善良で真面目な人もパワハラ上司になってしまう理由

第一に、この世界では「指示待ち人間」が増える。「指示待ち人間」とは、自発的に動かず、上司の指示がないと行動できない人間のことだが、指示に従うように教育されているので当然である。

これをなんとかしようと「指示待ち人間になるな!」という「指示」を出しても、当然解消しない。

さらに深刻な問題が、必要以上に高圧的な上司が増えることだ。

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