<2035年までのカーボンニュートラルを目指す国は、教育カリキュラムに気候変動が組み込まれている>

「2035年までにカーボンニュートラル達成」を宣言しているフィンランド。これまで2回にわたり、国や自治体が展開している持続可能な生活のための取り組み、企業が気候変動解決に向けてイノベーションを起こしている様子を紹介した。とりわけ、フィンランドの企業の取り組みには目を見張るものがある。環境を重視した企業活動を深めていこうという心構えが浸透しているのは、なぜだろう。

環境省・環境保護課シニア環境アドバイザーのマグヌス・セーデルロフ氏は、企業が気候変動対策に真剣に取り組む理由として「発展性」と「充実感」の2つを挙げていた。「発展性」とは、企業が具体的な対策を進めると、EU内で事業展開するときのハードルが低くなるという意味。「充実感」は、すでに技術的な面の対策を進めてきた結果、企業間でウィンウィンの状態(互いに利益を得る関係)が生まれ、喜びを得られるということだ。

だが、単にメリットがあるから環境志向になっているとは思えない。フィンランドの国民性もかかわっているのではないか。この点について、カイ・ミュッカネン環境・気候大臣の意見を書面でうかがうことができたので紹介しよう。

「問題解決への参加」は、当たり前のこと

筆者は2つの質問をミュッカネン環境・気候大臣に投げかけた。

質問1:フィンランドで気候変動対策が成功している理由の1つは、フィンランド人が環境保護のために「個人の貢献が大事」というメンタリティを持っているからでしょうか。(下記、大臣の回答)

カイ・ミュッカネン環境・気候大臣
 
カイ・ミュッカネン環境・気候大臣
 

「自然が常に身近にあったため、フィンランド人は自然との関わりが深いです。フィンランドはヨーロッパで最も森林の多い国であり、フィンランド人の5人に4人が自然はとても大切だと答えています。

しかし、さらに重要なことは、共通の利益のために問題解決に参加することがフィンランドの文化に深く根付いていることです。国民が積極的に参加することは、法案作成においても非常に大切です。国家気候法の改正の際には、政府に対し、2500人以上の人々が<完璧な気候法>とはどのようなものであるべきかについて述べました。

歴史を振り返れば、フィンランドは第2次世界大戦後、産業面、そしてエネルギーや暖房の分野でも再建を迫られました。フィンランドは世界で最も寒冷な国の1つです。こうした改革は、今でも、フィンランドの産業制度やエネルギー分野で行われています」

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