共和党のJ・D・バンス上院議員は、気候変動でEV大国の中国に雇用が奪われ、アメリカの労働者を苦しめていると(事実と異なる)主張をしている。24年の大統領選を目指す共和党候補者の多くも同調し、フロリダ州知事のロン・デサンティスは、クリーンエネルギー自動車関連の補助金を完全に撤廃したいと表明。ティム・スコット上院議員やニッキー・ヘイリー元国連大使も、ここぞとばかり労働組合やEVを非難している。

労働者たちは「EVに反対」しているのではない

トランプは9月27日にミシガン州を訪れて組合労働者らを前に演説し、自分はアメリカの自動車産業の味方で、バイデンのEV奨励策は雇用の縮小につながると批判した。

ただし、共和党の政治家が見落としていることがある。UAWはEVそのものに反対しているのではなく、EVから自分たちが取り残されることに反対しているのだ。

連邦政府から多額の資金援助を受けている大手自動車メーカーは、他のEVメーカーのために革新的で公正なEVシフトの枠組みをつくるべきだ。UAWとビッグスリーが協力してこの試みを成功させれば、風力や太陽光発電の技術者、建設労働者など、適正な賃金で働く熟練労働者を切実に必要としている他の気候変動関連部門にも、その効果が広がる可能性がある。

クリーンエネルギーの未来において、ブルーカラー労働者が公正な待遇を受けることは社会全体の願いでもある。

©2023 The Slate Group

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます