パキスタンに兵器を次々供給

このような状況で、インドは中国に代わってグローバルサウスのリーダーとなる態勢を整えている。インドは1950年代の冷戦下で中立主義と反植民地主義を掲げた非同盟運動の創設メンバーであり、その一貫した代弁者である。人権問題を抱えてはいるが、世界最大の民主主義国家として、中国のような政治的抑圧は行っていない。

インドがグローバルサウスのリーダーを目指すことは、西側にも受け入れられる。西側は既に、中国からサプライチェーンを移転する主な行き先としてインドに注目している。

ただし、中国はインドの挑戦をおとなしく受けるつもりはない。軍事的には国境紛争をさらに誘発するだろう。インドのもう1つの敵国であるパキスタンには、既に戦闘機、誘導ミサイルフリゲート艦、攻撃型潜水艦を供給している。

中国がインドに与え得る最も危険な脅威は、チベット高原から流れる水資源を完全に支配することだ。それでも、こうした中国の脅威に対して西側も断固とした態度で臨めば、中国はインドの台頭を止めることはできないだろう。

重要なのは、グローバルノースとサウスの仲介者としてのインドの立ち位置に、西側がしびれを切らさないことだ。「冷戦2.0」の中国と西側の間で、ほかのグローバルサウスもインドに倣って中立を保つようになれば、インドは世界に大きな貢献を果たすことになる。問題は中国がそれを許すかどうか、だ。

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