「汚染水問題になんの責任もない太平洋周辺諸国の人々は、今後30年以上にわたる日本の汚染水放出計画から得るものは何もない。予防原則や国境を越えた安全への配慮に反した今回の措置によって、これから何世代にもわたって多くのリスクを抱えることになる」と、リッチモンドは言う。

太平洋諸島フォーラム科学委員会は、このような問題は、処理水を海に投棄するのではなく、コンクリートの製造に利用するなど、別の方法で解決できると提案した。

「この処分計画は、放射線の海洋投棄に関する科学的・規制的要件を満たしており、環境や人体への影響はないと思われる。だが、海洋環境がさまざまな問題ですでに厳しい状況にあるときに、海を廃棄物投棄場として利用することには疑問が高まっている」と、豪アデレード大学の放射線研究・教育・イノベーションセンターのディレクターであるトニー・フッカー准教授は述べた。

「放射能に汚染された水を希釈して放出することはもはや公害の解決策ではない。日本は暫定的に今回のような形で処理するかもしれない。だがこれは将来的に他の処理方法を検討する良い機会になるだろう」

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