西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は10日、クーデターが起きたニジェール情勢について協議するために緊急首脳会議を開催し、政権を奪取した軍事政権に対抗するため、加盟国に対し待機部隊の発動を要請した。民主主義の平和的な回復を望むとしながらも、武力行使を含むあらゆる選択肢を排除しないとしている。

緊急首脳会議はECOWASの本部があるナイジェリアの首都アブジャで開催。クーデターで追放されたニジェールのバズム大統領の復帰を阻止する勢力に対し、渡航禁止や資産凍結などの制裁措置を実施することで合意した。

     ECOWASの議長国を務めるナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は会議後「最終手段としての武力行使を含め、いかなる選択肢も排除されていない」と言明。同時に「われわれの総力を結集し、ニジェールの安定と民主主義を回復させるために平和的解決をもたらすことができることを願っている。まだ全てが失われたわけではない」と述べた。

会議後に発表された共同声明には、ECOWASの国防責任者に「全ての要素を備えた待機部隊軍を直ちに発足させる」よう求める文言が含まれている。これとは別に採択された決議では、ニジェールの憲法秩序を回復するためにECOWASの待機部隊を派遣し、その後に平和的手段によって秩序を回復すると言及した。

ただ、部隊の資金源のほか、参加国、部隊の規模や装備などついては明記していない。

一部の安全保障問題の専門家は、地域部隊の編成には少なくとも数週間かかる可能性があり、ニジェールも問題の解決に向け交渉の余地が残されている可能性があると指摘している。

ただ、コンサルタント会社のストラテジック・スタビリゼーション・アドバイザーズのディレクター、アネリーズ・バーナード氏は「日程やレッドライン(越えてはならない一線)のほか、不測の事態が発生した際の対応など、合意されていない事項が多く残されている」と指摘。不透明な部分は多いものの、今回のECOWASの今回の声明は重要なステップで、ニジェール軍事政権とECOWASとの間の緊張の高まりにつながる恐れがあるとの見方を示した。

ニジェールはウラン生産国であると同時に、サハラ砂漠南部のサヘル地域におけるイスラム過激派との戦いで西側諸国の重要な同盟国だった。ニジェール周辺ではまだ具体的ではないものの、軍事侵攻を巡る懸念で緊張が一段と高まると予想されている。

[ロイター]
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