フランスで17歳の少年が警官に射殺された事件に対する抗議活動が全国で激化し、建物や車両が放火され、店舗が略奪されるなどの被害が相次いでいる。

ダルマナン内相によると、29日夜の騒動で900人以上が逮捕され、その平均年齢は17歳だったという。

内相はさらに、フランス全土で午後9時からトラム(路面電車)とバスの運行を停止するよう地方自治体に要請。また30日夕から警察官4万5000人を配備すると述べた。非常事態宣言の可能性については「いずれの仮説も排除しない」とした。

29日夕には警察官約4万人が配備され、そのうち200人以上が負傷したという。

ボルヌ首相は記者団に対し、政府が秩序回復のために「あらゆる選択肢」を検討すると語った。

マクロン大統領は欧州連合(EU)首脳会議が開かれていたブリュッセルから急いで帰国し、前日に続き危機管理の緊急閣議を招集した。

マクロン大統領はこれまでのところ、非常事態宣言の発出は否定している。テレビ放映されたコメントでは、ソーシャルメディアプラットフォームに対し、暴動の「最も敏感な」映像を削除し、暴力をあおるユーザーの身元を当局に開示するよう求めると述べた。さらに、抗議活動が激化している地域では不特定の公共行事を中止するとした。

フランス第2の都市である南部マルセイユ当局は、30日に予定されていた公共デモを禁止し、全ての公共交通機関を現地時間午後7時に停止すると発表した。

30日、パリ郊外のナンテールでは、デモ隊が車に放火し、道路をバリケードで封鎖。パリ中心部のショッピングモールではナイキの店舗が暴徒に押し入られ、数人が逮捕された。ある情報筋がロイターに語ったところによると、スーパーマーケットのカジノは複数の店舗で略奪の被害にあっている。

一部の国には在仏の自国民に注意を喚起する動きがみられる。米大使館は29日のツイートで「大勢の人や警察が集まっている場所を避けるべき」と警告。イギリス当局は報道に注意を払い、抗議活動を避け、旅行の際は勧告を確認するよう促した。

[ロイター]
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