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極左集団アンティファの集会に対抗して集まったオルト・ライト(新右翼)のメンバー(オレゴン州) KAREN DUCEY/GETTY IMAGES

企業情報セキュリティーに関するメモと、カリフォルニア州政府の機関「脅威評価センター」が昨年10月に発表した情報評価には、国内の過激派が電力インフラ攻撃の計画やノウハウを共有している事例や、全米各地で既に実行された攻撃の事例が詳述されている。

その大半に電力網という弱点を突いて国家を転覆しようとする「加速主義者」、つまり極右やネオナチが絡んでいる。

例えば3月にはオクラホマ州南部の「レッド川流域農村部電力連合」の施設が銃で破壊され、多数の世帯への送電が止まり、大規模な石油流出事故が起きた。この施設は80万~100万ドルもする変圧器を交換しなければならなかった。

7月にはカリフォルニア州ウォスコの変電所が銃撃に遭い、有害な化学物質が大量に流出。同月にはまたサウスダコタ州ヒューロン近郊のキーストーン・パイプラインに電力を供給する変圧器が破壊され、パイプラインの送油量が減った。

カリフォルニア州の脅威評価センターはこうした「特筆すべき事例」も含めた多くの事例について、犯人や動機は不明だが国内の過激派の関与が疑われると述べている。

最近起きた攻撃はおおむね小規模なものだが、全米に広がる電力網には送電線や変圧器その他の重要なポイントが多数あり、その大半はテロ攻撃に無防備なため、国内のテロ組織は簡単に大規模停電を起こせると専門家は指摘している。

限定的な攻撃であっても、テレグラムや4chanなどの極右チャンネルでネオナチが「大勝利」と騒ぎ立てるため、それをまねて、さらに大きな被害を出そうとする者が後を絶たない。

実際、過激派の活動を追跡するコンサルタントグループなどが最近まとめた報告書によると、極右系のソーシャルメディアではより大規模な攻撃のより頻繁な実行を呼びかける投稿が目立って増えているという。

電力網テロの大半は未解決