――ウクライナ戦争に対する中国の見方はどうか。中国はどんな教訓を得ているのか。

スローター 中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は「友人にこんなことをされるなら、敵だとどうなるか」と思っているのではないか。現状はほぼ確実に、わずか1年ほど前、北京冬季五輪開催に合わせて訪中したプーチンと会談し、無制限のパートナーシップを約束し合ったときに習が思い描いたものとは懸け離れているからだ。

ロシアの行動のせいで、中国は極めて難しい立場に置かれている。今や(中ロは)とても居心地の悪い関係だ。この点で、米政府の「民主主義国対独裁国」という戦略には疑問を感じる。アメリカは中国をロシアの側に押しやっているからだ。

だが実際には、欧州各国が気付いているように、中国がコストに目覚める確かなチャンスがある。親ロ路線が経済制裁の面や、ロシアの行動を後押ししているイメージがもたらすコストだ。アメリカはより微妙な戦略を採り、中国と接触を図る方法を探るべきだ。

台湾に関しては、中国の思惑を予測すべきではない。台湾を(防空ミサイルで)「ハリネズミ化」して、少なくとも攻撃した際の中国のコストを上げることは可能だ。非常に効果的な兵器を島全体に擁することで、台湾は中国と中国軍、中国社会にとってのコストを引き上げられる。さらに、極めて効果的な制裁計画があれば、習が(台湾侵攻を)先延ばしする理由になるだろう。

From Foreign Policy Magazine

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