<多数の連載を抱え、年間に何冊も本を出し、双子の母親で、義父母の介護もこなしているのに、涼しい顔をしている超多忙の人気エッセイスト・村井理子さん。どのように時間管理しているのか?>

エッセイストで翻訳家の村井理子さんは、多数の連載を抱えながら、年に何冊もの翻訳書や自著を出版し、プライベートでは思春期の双子の男の子の親であり、義父母の介護もする主婦でもある。

多くのタスクをこなしているにもかかわらず、穏やかでいる秘訣とノウハウを『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術』(CCCメディアハウス)より抜粋する。

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カップヌードルができるまで──3分は長いと気づくということ

一体どうやって時間をやり繰りしているのですか? と聞かれることが多い。それは私が、双子男児を育てつつ仕事をし、そのうえ義理の両親の介護をし、トドメに大型犬を飼っているからだろうと思う。いつも返答に困るのだが、私が意識して大事にしていることは確かにある。

それは隙間の3分程度の時間だ。

3分というと短い時間のように思うかもしれないが、カップヌードルができ上がるまでの時間を想像して欲しい。びっくりするぐらい長いのではないだろうか。永遠かよと思うときだってある。

あの長い待ち時間とおなじく、私にとって、3分は大変大きな意味を持つ。サスペンス映画の3分では、誰かが絶壁から凍てつく海に落下したり、地球が滅亡したり、殺人鬼が追いかけてきたりする。それほどたっぷりとした長さがある。だから、3分の空白時間があると判断したら、即座に何かやっている。

その何かとはたとえば、食洗機に皿をセットするとか、風呂に洗剤を拭きかけるとか、そんなシンプルなことだ。しかし、その3分で行った作業が、その後、たっぷりと時間を節約してくれることを私は知っている。だから、3分あったら何でもできると思ってしまう。

読書も同じだ。読む時間をどうやって確保しているのですかという質問もよく受けるけれど、3分あれば結構な分量を読むことができるし、3分のシンプルな作業で節約できた時間でゆっくり読むことだって可能だ。

要は、自分の時間をどのように使うか意識することだと思う。3分は決して短い時間ではない。湯を注いだカップヌードルを待つ時間の長さを常に意識して暮らす人が地球に増えて欲しい。

どうしたら時間をやり繰りできますか? という質問への答えは、「3分を無駄にしない」だ。3分を長いと感じるようになったら、あなたはもうプロである。

 『いらねえけどありがとう いつも何かに追われ、誰かのためにへとへとの私たちが救われる技術

 村井理子[著]

 CCCメディアハウス[刊]

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無洗米の奇跡