アントノフスキー橋は、ウクライナ南部を占領しているロシア軍部隊への補給路として戦略的に重要だ。

この橋がなければ、ヘルソンにいる部隊への補給は困難だ。ドニプロ川にはアントノフスキー鉄道橋とノバヤ・カホフカ・ダムの橋もあるが、ダムの橋もウクライナ側から砲撃を受けている」と、キングス・カレッジ・ロンドン防衛研究所のマリーナ・ミロン研究員は本誌に語った。

「ヘルソンでロシア連邦への加盟を問う住民投票を予定しているロシア政府にとって、この地域は兵站上だけでなく、政治的な意味でも重要だ。ロシア連邦への支持を得るためには、ロシア軍が領土の保持と住民の保護が確実にできていなければならない。ヘルソンに混乱を作り出すことは、ロシア側にとって好ましいことではない」と、ミロンは言う。

英国防省によると、この危機的状況を回避するため、ロシア側は現在、はしけを動かしている。部隊の補充や装備の移動に使う舟橋を作るためだ。

「数日前から、ロシアは、はしけの移動を始めた。おそらく、破損したアントニフスキー橋のすぐ横に、かなり本格的な浮橋を設置するためだろう」と、英国防省はツイッターで伝えた。

「この橋は、ロシア占領下のヘルソンと東部を結ぶ重要なリンクだ」

英国防省によると、橋がハイマースによる攻撃で被害を受けて以来、ロシア軍と地元住民が川を渡るには、フェリーに頼らざるをえなくなった。「ロシアが即席の橋を完成させれば、フェリーに比べて運送量が増えるのはほぼ確実だ」と、最新の英諜報機関の報告書は述べている。

コスパが悪い舟橋攻撃

だが英国防省は、舟橋はケルソンのロシア軍にとって、長期的な解決策にはならないかもしれない、と付け加えている。舟橋を作っても、「ウクライナ軍に攻撃されたら、ひとたまりもない状態」であることに変わりないからだ。

だがミロンは、舟橋の無防備さが、かえってロシア軍に有利に働く可能性もあると指摘する。「はしけの舟橋は安価で建設が簡単だ。それを破壊するために、高価なミサイルを撃ち込むことはウクライナにとっても効率が良くないだろう」

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