市民には4年ごとにヨウ素剤が配布されているほか、ロシア軍の原発占拠を受けて追加の配布も行われた。しかし、服用方法を忘れてしまったり、配られた薬剤をなくしてしまったりした人も少なくない。

ニコポリに住む看護師のレナ・クラフチュク(51)は、7月18日にロシア軍のミサイルが隣家を直撃したとき、生まれて初めて激しい爆発音を聞いたという。家の外壁は崩れ、あまりの衝撃に転倒してしまった。

この日以来、クラフチュクと夫は、地下の食料品貯蔵庫で、ピクルスの瓶に囲まれて寝起きしている。ヨウ素剤も忘れずに手元に置いてある。

「チョルノービリのときはまだ子供だったけれど、首都キーウ(キエフ)に住む親戚がここに逃げてきたことを覚えている」と、クラフチュクは言う。「今度は私たちが逃げる番なのかもしれない」

From Foreign Policy Magazine

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます