買いたたかれ、画一化が進む

しかし新型コロナ禍後のリアルな市場の縮小により、このモデルは次第に機能しなくなっている。韓国では地上波をはじめとするテレビの存在感はもはやなく、人々は映画やドラマを主としてネット上で消費している。

こうした状況は結果として、ネットフリックスをはじめとする大型プラットフォームへのコンテンツ産業の依存を大きくさせる。映画やドラマもネットの形式に見合ったものとなり、プラットフォーム上での再生回数を競い合う。

しかし作品が大型プラットフォームの形式に適合し、全てが「月額890円」で見られるなら、人々はもはや劇場に足を運ばなくなる。苦境に陥ったコンテンツはプラットフォームに買いたたかれ、その単価を次第に下げていく。それこそが実情である。

韓国のポップカルチャー産業の苦境は、固有の現象というより世界で進む巨大な動きの一部にすぎない。アマゾンやネトフリ、ウーバーイーツが隆盛を極める一方で、書店や新聞販売店がなくなり、映画館やケーブルテレビ、街角の食堂も姿を消していく。

プラットフォーム覇権の中、出版産業や映画産業のコンテンツは買いたたかれ、いつしか画一化が進む。だとすれば、韓国のポップカルチャー産業がここから脱出するのは極めて難しい、のかもしれない。

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