──つまり、大麻は運動能力の向上薬なのか?

その質問には、通常はイエスと答えているが、「運動能力向上」という言葉は一般に知られている意味とはちょっと違う。なぜなら、「運動能力向上薬」といえば、私たちはステロイドを思い浮かべることが多い。

ステロイドが禁止されている理由は、身体に有害であるばかりか、使用していない選手に対して不公平になるからだ。同じ身体能力で、同じ訓練をこなしている2人の選手のうち1人がステロイドを使用して、もう1人は使用しないとしたら、使用した選手の能力がもう1人を上回るようになる。

大麻の場合はそうはならない。大麻はいろいろな意味で選手の助けになるが、人の自然な限界、遺伝的限界を超えた能力をもたらすことはない。

だが大麻を使えば、トレーニング量を楽に増やすことができるし、回復も速くなる。そして、何かをやりたい場合、もっと頻繁に、もっと元気に楽しむことを可能にしてくれる。

研究によれば、楽しみながら現在に集中した状態で、運動やその他の活動を行っているとき、さまざまな脳の領域が活性化されることがわかった。それによって心と体のつながりが強くなり、筋肉の働きの協調性が改善する。回復についても、カンナビオイドの一種であるCBD(カンナビジオール)には睡眠の向上と筋肉の痙攣を軽減する作用がある。

──最後に伝えたいことは?

この本で伝えたいことで最も重要なのは、心の状態を変えることができれば、運動の意味が変わることだ。やらなくてはならないから仕方なくやるものではなく、遊びのように楽しく、快楽をもたらす活動と捉えられるようになる。

それは、楽しむべきものだ。私たちには、セックスや食べ物、睡眠と同じくらい、運動を楽しむための内なるメカニズムが備わっている。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます