もう1人(小学校教師の友人)は、若者は家に閉じ籠もったが、デジタルデバイスを巧みに操作することで、研究能力、プレゼン能力を向上させているだろうと言う。

なるほど。OECDの分析は確かに妥当かもしれないが、それより大きな課題がある。そして、若者がデジタルデバイスを駆使して進歩を遂げているという点も納得だ。しかし日本を含むいくつかの国に関して言えば、気になるのは中学生がコンピューターを学習に活用できているかどうかというOECDの別の指標。加盟国平均では生徒の9割が使えているが、日本は約60%。教員も、セミナーなどに参加してスキル向上を図っている割合は約10%と低い。

幸いにも日本のコロナ感染率は高くはないので、息子の学校が実施しているようなハイブリッドモデルを全国的に採用する必要性はないかもしれない。しかし、OECDにお尻をたたかれたつもりで、あえてこのハイブリッドモデルを試みてもいいのではないか。そうすることで、より多くの生徒がオンライン学習をできるようになり、より多くの学校がそのような教育プラットフォームを導入できるだろう。

それほどピンチでないからこそ、日本は余裕を持って取り組めるはず。ピンチをチャンスに変えるには、今はチャンスだ。

NW_Tony_Laszlo.jpgトニー・ラズロ

TONY LÁSZLÓ

1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。

<2020年10月20日号掲載>

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