<サッカー代表の選手が帰国を拒んだ国、ミャンマーで何が起こっているのか。国軍の暴力の一端がソーシャルから明らかになった>

村の大半が焼き払われ、煙がくすぶる無残な写真が、ミャンマー軍の蛮行を物語る。6月15日にミャンマー中部の村で何が起きたのか。独立系メディアの報道やソーシャルメディアの投稿を裏付ける住民の証言をAP通信が伝えた。

ミャンマー中部のマグウェ管区にある、今は焼失したキンマ村の住民は匿名で、国軍の兵士たちが村を襲ったと語った。襲撃の目的は、軍政の弾圧から村を守るために結成された自警団のメンバーを拘束すること。自警団は事前に軍の動きを察知し、住民たちに避難するよう警告していた。軍の兵士たちは家々を捜索して回った後、村に火を放ったと、この住民は話した。

「(軍の襲撃は)これで終わりではないと思う。みんなで、どこかよそに逃げるしかない。たとえ村に戻っても、何もかも焼かれてしまい、住む家もない」

この住民の話では、逃げ遅れた村人3人が亡くなるか重傷を負ったという。237軒あった村の家々のうち、残っているのは10軒だけだ。

「反乱の芽」をつぶすため

ミャンマー軍は今年2月にクーデターを起こし、選挙で成立した文民政権の実質的な指導者であるアウンサンスーチーを拘束して全権を掌握した。

以下は、AP通信が伝えた軍によるキンマ村襲撃の詳細だ。

キンマ村の襲撃は、全土に広がりかねない反乱の芽をつぶすため、ミャンマー軍がいかに暴力的になっているかを示す事例の1つだ。

2月の国軍クーデター以降、市民は非暴力の不服従運動を展開。静かな抵抗を武力でつぶそうとする軍政の見境のなさは、人々を屈服させるどころか、より激しい抵抗を生む結果となっている。

6月16日にソーシャルメディアで広く拡散されたマグウェ管区キンマ村の写真や動画は、軍の破壊行為の凄まじさを伝えている。家々は焼け落ち、黒焦げになった家畜の死骸が辺りに転がっている。報道によれば、この村には約1000人の住民が暮らしていたという。

軍の報復を恐れて実名を伏せることを条件に取材に応じた住民の話によれば、兵士たちが銃声を響かせながら村に入ってきたのは15日の正午少し前。既に大半の村人は避難していた。

逃げ遅れた老夫婦が犠牲に
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