刑法や法哲学を専門とするレーゲンスブルク大学カトリン・ギーアハーケ教授は、ヘルツィヒさんの件に関した予防接種についてのインタビューの中で、以下のように話している。
「予防接種については、客観的でオープンな話し合いが必要です。(中略)老いも若きも、接種が単にノーマルな状態へ戻る切り札だということではなく、自分の体に対する自己決定と個人の自主権に関することだと気づかなければいけません」
接種は義務ではない
筆者の知人のひとり(60代)は、新型コロナウイルスは重症化する可能性があり、感染を過小視していないが、予防接種はあくまで推奨なのに、義務であるかのような見えない同調圧力がスイスをはじめとした多くの国々で働いていると話す。
知人の周囲では、これまで、体に害を与える遺伝子組み換え食品のことを厳しく批判したり、化学物質(アルミホイルなど)に敏感に反応していた人たちまで、積極的に予防接種しているそうだ。
また知人の妹は、子どものときから重度の喘息およびアレルギー体質で、生まれてから一度も予防接種をしないできたが、かかりつけの医師に最近ワクチンを奨められ、接種を受けることに決めたという。彼女は「誰がどんな選択をしてもよいが、社会が予防接種推進派とは違う意見を認めなくなるようなら恐ろしい」と筆者に語った。
ワクチン接種の副反応を一般化することができないことが、状況を複雑にしていることは確かだろう。ギーアハーケ教授や知人が指摘するように、最終的には接種するかどうかは自分で決めることだが、接種拒否を理由とした解雇は表に出ないだけで、すでにあちこちで起きているのかもしれない。
