
著者は2002年から銀座・伊東屋の決まった手帳に「抜き書き」を始めた。現在、「抜き書き帳」は27冊になる。
最後に、『三行で撃つ』から、抜き書きの効果を2つ紹介しておきたい。なぜ、抜き書きをするのか。
ひとつに「抜き書きをすると、自分が〈分かる〉」から。1冊分のテクストから、何らかの思考に基づいて自分なりにフレーズを切り取る。その作業によって、自分が興味を持っていること、感動すること、そして自分にあった問題意識が可視化される。
もうひとつに「抜き書きをすると、自分が〈変わる〉」から。自分の脳内の知にネットワークができると、そのネットワークが新しい何かを引っ張ってくる。すると、自分の中になかった何かが現れる。意外な自分になる。
著者曰く、「抜き書き帳とは、〈あなたでないあなた〉への召喚状」なのである。