それはおよそ、革命には見えなかった。 グリーンスムージーとフエダイのバーガー。場所はバハマのヘルシーフード・カフェだ。

だが将来の世代は、これが時代の転換点だったと振り返るかもしれない。商業銀行の役目をひっくり返し、事実上の世界通貨であるドルの地位を揺るがしかねない技術を、初めて全土で国家が導入した瞬間だ。

バハマ中央銀行が発行した、アプリで使えるデジタル通貨「サンドドル」を使って購入された最初の商品が、このスムージーとバーガーだった。

首都ナッソーでカフェNRGを営むドーン・サンズさんは、ビデオを通じてロイターに仕組みを説明しながら、「簡単よ。メッセージが出たら入金完了。人々が慣れ親しめば大きく広がっていくと思う」と語った。

住民約39万人の群島国家で始まったこの実験は小規模なものだが、米連邦準備理事会(FRB)から欧州中央銀行(ECB)、中国人民銀行、英イングランド銀行まで、世界各国の主要中央銀行が注視するだろう。

こうした中銀も現金の利用が減ったことで微妙な立場に立たされており、各々、独自のデジタル通貨の発行を見据えている。

中銀は、自分たちを用無しにしようと生み出されたビットコインのような暗号資産(仮想通貨)を警戒しつつも、革命の可能性を秘めた船には乗り遅れたくないし、米フェイスブックのような巨大IT企業の暗号資産には土俵を譲りたくないと考えている。

途上国でもメリット