バイデンはこれまで、自身の今後の中国政策についてほとんど明らかにしていない。だが、2日にニューヨーク・タイムズが報じたインタビューの中でバイデンは、トランプの対中通商政策も含め、短期間のうちに急いで新たな決断を下すことはないと示唆した。

「すぐに動くつもりはない。関税についてもそれは同じだ」とバイデンは述べた。拙速は避けるというわけだ。

それよりもバイデンは同盟国とともに「首尾一貫した戦略を立てる」ことを目指すと述べた。また同盟国に対しては、就任後の早い時期にアメリカが「同じページへと」立ち返る手助けをして欲しいとしている。

翌3日、中国共産党機関紙人民日報系のタブロイド紙「環球時報」は、立場や優先課題が異なるアメリカとEUが対中政策で足並みをそろえられるかどうかは疑問だとする論説を掲載した。

「ヨーロッパはアメリカとの新たな西側の団結を根っこではちゅうちょしているかも知れない。トランプ政権の過激な対中政策から言ってもそうだ。新たな摩擦は避けられないだろう」

「だが、西側の団結について定義する役割がヨーロッパ側に回り、一方でアメリカ側が決断を下す機会が減ってリソースを提供することばかり増えていった場合、アメリカ政府がそうした団結のあり方を受け入れることはないだろう」

また同紙は「中国の挑戦および中国がもたらした脅威」という考えは「大部分は想像の産物」だと切り捨てた。

米議会も中国に厳しい視線

だがワシントン政界では、中国の脅威はこれまでになく現実味を持って受け取られている。米議会の諮問機関「米中経済安保検討委員会」は1日、年次報告書を議会に提出。この中には米中関係の課題に関する575ページにわたるレポートも含まれていた。

レポートでは過去20年の委員会の歴史上初めて、中国がアメリカを「追い上げている」ことではなく「追い抜いている」ことに焦点を当てたという。

レポートによればヨーロッパは、中国が影響力拡大を狙う主要な舞台の1つだ。

中国外務省の華報道官は在ワシントンの中国大使館から本誌へのコメントの中で、同委員会について「中国に対するイデオロギー的な偏見に常にとらわれてきた」と主張。「委員会がこれまでにでっち上げてきたレポートの中の中国への非難中傷についても、事実に基づく根拠はない」と述べた。

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