アゼルバイジャンのアリエフ大統領は4日、ナゴルノカラバフ地域での戦闘を巡り、アルメニアに同地域やその周辺から軍を撤退する期限を設定するよう求め、応じない限り軍事行動を停止しないと表明した。

アリエフ氏はテレビ演説で、同国軍は1990年代にアルメニア人勢力が占領した同地域を取り戻すために進軍していると指摘。

「アゼルバイジャンは1つの条件があり、それはこの国の領土の解放だ。ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土で、われわれは領土を回復する必要があり、必ず回復する」と宣言した。

「(アルメニア)が軍部隊を撤退させれば、紛争を停止するというのが私の条件だ。しかし言葉ではなく、行動で示す必要がある」と続けた。

その上で、国際社会は30年にもわたり、国連決議を実行に移せておらず、アルメニアにアゼルバイジャンの領土を返還するよう圧力もかけられずにいると批判した。

アリエフ氏は演説で、ロシア、米国、欧州連合(EU)が求めている即時停戦は受け入れない姿勢を鮮明にした。

アルメニア国防省の当局者は、アリエフ氏の演説の直後に、「(アルメニアの首都)エレバンが何らかのリスクにさらされているとは思わないが、どちらにしても戦闘のさなかにある」と述べた。

戦闘は約3万人の死者が出た1990年代以降で最も激しく、ナゴルノカラバフ以外の地域にも広がりつつある。アゼルバイジャンの輸出用の石油パイプラインを巡る懸念も高まっている。

アゼルバイジャンはトルコが支援し、アルメニアはロシアと防衛協定を結んでいるため、地域の他の大国を巻き込む可能性も指摘されている。

[ロイター]
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