「パプア独立運動」は国家の統一を乱す「反逆行為」
非パプア人であるインドネシア人の間にはパプア人を「未開の非文明人」「教育水準の低い民族」「(キリスト教徒であることから)飲酒を好む怠け者」などとして蔑み、「サル」「ブタ」などと差別する傾向が強いのは否定できない事実である。
特にパプア人が抱く「独立」への願いはインドネシアにとっては国家の統一を乱し、分裂を招く「国家への反逆行為」として治安当局が厳しく取り締まっている。
細々とではあるがパプア地方で続く独立武装組織「自由パプア運動(OPM)」による抵抗運動に対しても軍や警察は人権侵害もいとわない弾圧を続けているとされている。
こうした事態にパプア問題の専門家で支援活動家でもあるベロニカ・コマンさんはインドネシアのメディアに対して「判決には正直驚いたが、差別判決であることには相違なく、これを寛大な判決ととらえるのではなく、無罪判決こそ正しい判決と考えなくてはならない」と語る。
さらにコマンさんは「裁判官は検察側の求刑通りの長期刑を言い渡すことで、さらなるパプア人や支援者の怒りを招き、インドネシア社会が混乱することを危惧したのではないか」と指摘している。
こうした検察側の求刑を大幅に下回る判決の背後には当局の指示、思惑があるのは確実とみられている。
ただそれがパプア問題解決を重要視するジョコ・ウィドド大統領周辺の思惑なのか、あるいはコロナ感染拡大防止に大動員されて手一杯の状態にある軍や警察など治安当局の思惑なのか、現段階では判然としない。
弁護側・検察側ともに控訴せず今回のバリクパパン地裁の判決が確定すれば、その出所不明の思惑がもつ「影響力の大きさ」が分かることになるとみられ、今後の動きが注目されている。

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