母親が落ち着いて考え、中学受験をすることを選んだにもかかわらず、父親が反対している場合、その主な原因は3つに分かれる。

「今の子どもたちの現状を知らない」

「受験にマイナスイメージを持っている」

「(大学、高校)受験で自分自身の成功体験がある」

である。これらに共通しているのは、父親の判断が自分基準でスタートしている点だ。

そんなとき、小川氏は中学受験の話ではなく、夫婦の間で「うちの子ってこうだよね」という会話を増やすことをアドバイスしている。

中学受験は、あくまでも子どもの人生における選択肢のひとつ。ひとまず中学受験を脇に置いて、子どもにとってどんな環境がいいのかを話し合うのだ。父親には、母親と同じように細やかな目で子どもが見えているとは限らない。いろいろな子どもの情報を共有した上で、「わが家はどうするか」という方針を具体的に考えていくことが必要になる。

では、子どもが中学受験を嫌がる場合はどうすればいいだろう。小川氏によれば、これも対処法は同様だ。

まずは子どもの嫌がる理由を聞き、その気持ちを汲み取る。そして親として、なぜ中学受験を考えているのかを、子どもにも分かるように説明する。親の考えに従わせるのではなく、子どもなりに判断できる材料を丁寧に渡すスタンスで話すのだ。両親が思っていることを素直に伝えることで、子どもは耳を傾けるようになるはずだという。

中学受験は、家族みんなで乗り越えるもの。じっくりと話し合いながら、まるで同盟を結ぶように向き合っていくことが大切である。

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塾選びで重視すべきは、合格者実績より子どもとの相性

中学受験に欠かせないのが塾だ。ただし、中学受験に力を入れている各種の大手進学塾でも、その特徴には違いがあるため、子どもとの相性を考えることが必要になる。


「教える」→「鍛える」→「チェックする」の3ステップが基本となります。
 塾を選ぶ際には、この3つの要素に塾がどれくらい関わってくれるかと、子どもの学習の自立度合いに照らし合わせて選んでいきます。(113ページより)

速いペースでどんどん進む授業が、テンポが良くて分かりやすいと感じる子もいれば、ゆっくり進む授業が丁寧で分かりやすいと感じる子もいる。どちらの教え方がいいかではなく、授業を受けたときに子どもがどう感じるのかが選択要素になる。

また、テキストも同様だ。大手進学塾のオリジナルテキストの多くは、一定の期間ごとに作られているため、それを家で見ておけば次回の授業内容を知ることができる。しかし、毎回の授業の前に冊子として配られる塾もある。事前準備をしないと授業に付いていけない子やスロースタートタイプ、自分のペースを大切にしたい子は、そういうスタイルは合わないかもしれない。

子どもに対する親の関わり方にもコツがある