<為替> 中央銀行の金融決定会合を控え、原油価格が高止まりする中、ユーロが対ドルで下落した。25日に行われたブラジル大統領選の決選投票で現職のルラ大統領が再選を果たしたことを受け、ブラジルレアルは急落した。
ユーロは先週、フランス国債の売りにより同国の債務リスクプレミアムが2011年のユーロ圏債務危機以来の高水準に押し上げられたことで、下押し圧力を受けていた。ただ、この日のフランス国債価格は上昇。格付け会社ムーディーズが23日、フランスの信用格付けを据え置いたことで、社会不安の抑制と厳しい財政の立て直しに苦慮する政府にとって、圧力が和らいだ。
ただ、ソシエテ・ジェネラルの外為戦略責任者、キット・ジュークス氏は「ユーロを巡る根本的な問題は変わっておらず、スプレッドは縮小している」と指摘。「成長見通しが良好ではなく、エネルギー価格も高止まりしているため、ユーロは現時点でなお脆弱だ」と語った。
この日の北海ブレント先物は軟化したものの、依然として約6カ月ぶりの高値付近にとどまった。
市場の注目は、今週予定される主要中銀の金融政策発表に集まる。米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日銀はいずれも金利を据え置くと見込まれている。ニュージーランド(NZ)とカナダの中銀は利上げすると予想されている。
主要通貨に対するドル指数は0.31%高の102となった。前出のジュークス氏は「ドルは予想ほど堅調ではなく、いくらか逆風もあるが、米経済指標はかなり底堅い」と述べた。
円は対ドルで0.43%安の1ドル=157.46円。
ユーロは対ドルで0.21%安の1.1179ドル。対円では0.31%高の176.04円となった。
ブラジルレアルは対ドルで8.5%安の1ドル=5.4レアル。ブラジル大統領選の決選投票で、左派のルラ大統領が右派のフラビオ・ボルソナロ上院議員を破り、史上初となる通算4期目の大統領職を担うことになった。ボルソナロ氏は第1回投票では首位に立ったが、決選投票では400万票超の差で敗れた。最高裁が25日に投票時間を2時間延長する判断を下したことを理由に、選挙結果の無効を求める意向を示した。
ゴールドマン・サックスのテレサ・アルベス氏率いるアナリストチームは投資家向けリポートで、「選挙結果を巡る争いが長引くリスクは市場心理に悪影響を及ぼすが、より根本的には、過去数週間で大幅な財政緩和が実施されたことを踏まえると、レアルなどの現地資産には一段と大きな財政プレミアムが反映されるべきだと考える」と指摘した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 10年債利回りがおおむね横ばいで推移した。市場では27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)のほか、週内の一連の大手AI(人工知能)関連企業の決算発表が注目されている。
今回のFOMCでは金利据え置きが決定されるとの見方が大勢。ただ、インフレ警戒感が根強い中、利上げ休止が長期間続くとも予想されていない。TD証券の米金利戦略責任者、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏は「連邦準備理事会(FRB)は景気を損なうことなく、段階的な利上げを続けたいと考えている。それが最大の焦点で、12月の次回会合で追加利上げを決定すると予想している」と指摘。ただ「ウォーシュFRB議長は(今回のFOMC後の記者会見で)今後の見通しについて多くを示唆するとは予想していない」と述べた。
FRBは9月のFOMCで0.25%ポイントの利上げを決定。利上げは2023年7月以来、3年2カ月ぶりで、決定は全会一致だった。経済指標が強弱まちまちとなっていることなどを受け、今回のFOMCでの利上げ観測は後退しており、市場データによると今回の会合で金利据え置きが決定される確率は約90%。12月の会合で追加利上げが実施される確率は約80%と見込まれている。
この日はAI開発の米アンソロピックが米国での新規株式公開(IPO)申請書類を公開。これを受けAI関連株が買われ、米株式市場全体も上昇した。今週は、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コムなどが相次いで四半期決算を発表。AIを巡る動向が引き続き市場の焦点になると見られている。
終盤の取引で10年債利回りは4.988%と前営業日比横ばい。
30年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)低下の5.30%。
2年債利回りは3.2bp上昇の4.714%。2年債と10年債の利回り格差は27.2bp。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 反発して取引を終えた。人工知能(AI)開発の米アンソロピックの新規株式公開(IPO)申請がAI関連株への投資家心理を押し上げた。前週まで週足で続落していたS&P総合500種とナスダック総合は、下落に歯止めをかけた。
アンソロピックは26日、米国でのIPO申請書類を公開した。巨額の赤字と急速な売上高の伸びが明らかになり、開発に多額の費用がかかる中でも、世界経済を変革し得るAIシステムの構築を目指す姿勢を示した。
今週は28日の米連邦準備理事会(FRB)の政策決定、29日の国内総生産(GDP)およびインフレ指標のほか、週を通じて多数の企業決算発表が予定されている。
S&P総合500種構成企業の3分の1超が今週決算を発表する。ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)のアルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムも含まれ、巨額のAI投資が成長につながっているかどうかが注目される。
RWAウェルス・パートナーズの最高投資責任者、JP・パワーズ氏は「きょうはアンソロピックの開示が全てで、相場は再びやや楽観的な方向に傾いていると言える。ただ、開示内容は多岐にわたる。実際に上場する際、投資家にどの程度好意的に受け止められるかが注目される」と述べた。
その上で「各材料が同じ方向を示さなければ、相場が振り回されるリスクがある。きょうは少し楽観的だが、今週の他の発表を受けて何が起きるかは分からない」との見方を示した。
AIブームの最大の恩恵を受ける分野の一つとみられている半導体関連銘柄が相場上昇を後押しした。フィラデルフィア半導体指数は2.8%上昇したが、月初来では依然として12.2%下落している。
メタは1.9%下落。AI向けデータセンターやクラウドコンピューティングの拡充などに伴う巨額の費用を賄うため、最大950億ドルの資本調達を実施する計画を発表した。
AI関連の取引は今月、借り入れコストの上昇を受けて債務で賄う支出の正当化が難しくなりかねないとの懸念から圧力にさらされてきた。
ただ、アンソロピックのIPO申請が投資家心理を支え、コアウィーブを含むネオクラウド企業は序盤の下げから切り返した。
その他のAI関連企業も好調で、光学部品メーカーのルメンタムが約8%、コヒレントが約6%、それぞれ上昇した。
超大型株とグロース(成長)株も大半が上昇。テスラは5.2%急伸し、終値で3カ月超ぶりの高値を付けた。バークレイズが投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.36対1の比率で上回った。ナスダックでも1.09対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は約167億株。直近20営業日の平均は172億株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 原油価格が6カ月ぶり高値付近から下落し、インフレ懸念が和らいだことを背景に反発した。スポット金は0.6%高の1オンス=4020.60ドルとなり、12月物の米金先物は0.8%高の1オンス=4038.40ドルで取引を終えた。前週末に7月20日以来の安値を付けていたが、原油安や安値拾いの買いが支援材料となった。 米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定会合を控え、今週は様子見ムードが強い。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 北海ブレント先物が下落して取引を終えた。中東での戦闘が和らぐとの期待が広がった。ただ、主要産油国サウジアラビアや海上輸送への攻撃が続いているため、投資家は警戒を緩めていない。価格は約6カ月ぶりの高値近くにとどまった。
清算値は、北海ブレント先物が0.91ドル(0.8%)安の1バレル=115.81ドル。米WTI先物は1.51ドル(1.46%)安の101.76ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 157.50/157.52
始値 157.31
高値 157.64
安値 157.25
ユーロ/ドル NY終値 1.1172/1.1176
始値 1.1198
高値 1.1200
安値 1.1174
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*10.50 5.3039%
前営業日終値 97*05.50 5.3150%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*06.00 4.9904%
前営業日終値 97*06.50 4.9880%
5年債(指標銘柄) 17時00分 100*24.00 4.8262%
前営業日終値 100*26.75 4.8070%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.63 4.7202%
前営業日終値 100*03.88 4.6820%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 52361.58 +146.42 +0.28
前営業日終値 52215.16
ナスダック総合 26169.38 +214.04 +0.83
前営業日終値 25955.34
S&P総合500種 7676.77 +53.09 +0.70
前営業日終値 7623.68
COMEX金 12月限 4038.4 +30.5
前営業日終値 4007.9
COMEX銀 12月限 5434.1 +39.2
前営業日終値 5394.9
北海ブレント 12月限 115.81 ‐0.91
前営業日終値 116.72
米WTI先物 12月限 101.76 ‐1.51
前営業日終値 103.27
CRB商品指数 414.9365 ‐3.6645
前営業日終値 418.6010