中国の影

韓国にとって、中国の報復がどれほどのダメージをもたらすか、記憶に新しい。

2016年に、北朝鮮ミサイルの脅威に対抗するため韓国政府が米新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)の国内配備を決めた際、怒った中国は非公式に韓国への団体旅行を禁止し、韓国ロッテグループによる建設プロジェクトを差し止めるなどした。

2017年の中国スマホ市場におけるサムスンのシェアは前年から半減したと、ストラテジー・アナリティクスは指摘。現代自動車の売り上げも、ミサイル騒動の余波で3分の1減った。

韓国企業幹部の中には、政府は中国に対して無力であり、不公平な補助金や貿易慣習とみられる中国側の措置にも、十分な対策を取っていないと批判する人もいる。

「中国政府が自国のテクノロジー産業を伸ばそうと全力を挙げているときに、われわれは何の政府支援もないまま、生き残りを賭けて戦わなければならない状況にあると感じている」と韓国の大手液晶メーカー幹部は、匿名を条件にこう話した。

「サードを巡る騒動が起きた時、何の事前策をも講じてなかった政府が混乱に陥る中、韓国企業は中国で血を流していた」とファーウェイにスマホ部品を供給する韓国企業のトップは話す。「今度こそ、政府には企業を守る明確なビジョンを打ち出して欲しい」

Ju-min Park and Heekyong Yang

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

[ソウル 30日 ロイター]
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