もちろん米企業側にも痛みは出るが、「冷戦」状態の全面対決になれば今回の大統領令のような措置ではすまない。今、妥協した方がいい――。そんなメッセージを発信しているのだろう。

それでは、今後はどうなるのか。トランプは、おそらくファーウェイ排除に関しても、何らかの形で妥協する意思はあるのではないだろうか。今回の大統領令でもあえて企業名は出さずに曖昧にしている部分があり、そのあたりでうまく調整することも考えられる。そしてその見返りとして、米中貿易交渉でトランプの要求をのませたい。ファーウェイ排除よりも、米中貿易戦争に勝つほうが、有権者に対して大きなアピールになる。次の大統領選は来年に迫っている。そんな打算があるのかもしれない。

トランプ政権が出したファーウェイを巻き込んだ大統領令。ボールはこれでまた中国側に渡った。米中貿易交渉の文脈で、中国がどんな「妥協」を見せるか、注目される。

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