Kenrick Cai

[サンフランシスコ 1日 ロイター] - 米金融大手キャピタル・ワンは7月31日、トランプ大統領の一族が所有するトランプ・オーガニゼーションの銀行口座を2021年に閉鎖したのは、マネーロンダリング(資金洗浄)対策の専門チームによる審査結果に基づく判断だったとする主張を裁判所に提出した。

キャピタル・ワンは、口座閉鎖が政治的理由だったとして補償請求のためにトランプ・オーガニゼーション側が起こした訴訟の棄却を求めている。

銀行がトランプ氏の事業に関し、資金洗浄上の懸念を正式な法廷文書で指摘したのは初めて。ただキャピタル・ワンはトランプ・オーガニゼーションが違法な資金洗浄を行ったと主張しているわけではない。

提出文書では「原告側の主張や関連文書から明らかなように、口座閉鎖は資金洗浄対策上の理由によるものだった。数カ月にわたる分析と、銀行の方針および規制当局の指針に沿った慎重な審査の結果だった」と説明されている。

キャピタル・ワンは21年3月、トランプ氏関連の300超の口座を閉鎖する方針を通知。これに対してトランプ・オーガニゼーションとトランプ氏の次男エリック氏は25年3月、南部フロリダ州の連邦地裁に、キャピタル・ワンが「ウォーク(進歩派)思想」に基づき、21年1月6日の連邦議会襲撃事件後の政治情勢に迎合するため口座を閉鎖したとして提訴した。

連邦地裁はこれまでに2度原告側の訴状を退けつつ、その都度修正版の提出を認めていた。キャピタル・ワンは今回の最新訴状についても「以前の2件と同じ根本的な欠陥を抱えている」と指摘した。

またキャピタル・ワンは、トランプ・オーガニゼーション側の政治的動機に基づく口座閉鎖との主張について「文脈を無視した一部引用に依拠した誤った主張だ。キャピタル・ワンが問題視した取引パターンは、連邦当局の銀行監督指針で警戒対象とされる活動の一例だ」と述べた。

トランプ氏の大統領2期目が始まって以降、政権は大手銀行に圧力を強めており、保守派が主張する「右派への金融サービス排除」の問題を取り上げている。トランプ氏は25年8月、政治的・宗教的理由などによる差別的な「デバンキング(口座排除)」を禁じる大統領令に署名した。

トランプ氏は25年1月、同様の理由でJPモルガン・チェースも提訴しており、ウォール街の金融機関は政権への難しい対応を迫られている。

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